Tuesday, 17 November 2009

人文研へ

 昨日、京大の人文科学研究所(人文研)へ伺う。共同研究「コンタクトゾーン」の例会で報告させていただいた。
 「帝国日本と仏教アジア主義──戦前期における日蓮宗僧侶・高鍋日統の内蒙古布教の事例」と題する内容で、2005年のIAHR等で報告したものをベースに、リミックスしたもの。

 ・仏教者のナショナリズムをめぐる問題
 ・内蒙古の布教現場における高鍋と布教対象者との相互交渉の具体的内容
 ・仏教者の「アジア」イメージの変遷
 ・「汎ナショナリズム」や「汎アジア主義」の意味するもの

 さまざまな専攻の方々から、以上のような「宿題」を数多く頂戴した貴重な時間となった。(ご指摘いただいた点を踏まえ)これも何とか早く論文化したいと思う。
 得難い機会を頂戴し、誠にありがとうございました。

 研究会終了後、研究所内のKさんの研究室にお邪魔し、『京都大学人文科学研究所創立80周年』の冊子を頂戴する。データのみならず、ビジュアルも充実している貴重な資料(>monodoiさん、研究会をやりましょう)。
 懇親会は、百万遍のおむろ屋。人数が少なかった分、しっとりとお話をお聞かせいただいた。

 これで、過密な報告の日々はひと段落(のはず)。
 しかし、校務や原稿等、取り組むべき課題は山積している。紅葉見物に行けるといいのだが。091117

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Saturday, 14 November 2009

映画『ドキュメンタリー頭脳警察』を観ることができるだろうか?

 土曜日だが、出勤し、報告の準備をはじめ、諸々の作業を行う。
 ところで、去る11月7日、京大西部講堂で映画『ドキュメンタリー頭脳警察』(監督は瀬々敬久)が上映された。残念ながら、研究会のため、観ることができなかった(翌日には、FLOWER TRAVELLIN' BAND、リザード、遠藤ミチロウらとのライヴもあったのだが、これも行けなかった。残念)。
 また、このドキュメンタリーの公開とともに、ニューアルバム『俺たちに明日はない』も発売され、心ひかれる。映画は現在、東京の渋谷で公開されており、順次、各地で公開されるようだが、何とか、もう一度、京大西部講堂で上映してくれると嬉しいのだが。
 頭脳警察の結成は1969年だが、60年代の日本のロックの極点たるジャックスの貴重な音源を、数ヶ月前に入手した(といっても市販されているもの)。
 若松孝二の映画『腹貸し女』のサントラ盤である(映画の公開は1968年3月だが、映画用音楽テープからリマスタリングされ、2008年10月に発売された)。
 この音楽を担当しているのが、ファーストアルバム『ジャックスの世界』(1968年9月)を出す前のジャックスである(ただし、この音源はこれまでにも1986年の『REALIZATION』等を通じて公表されているが、今回、7曲の未発表曲を収録してCD化されたので、ありがたい)。
 解説の湯浅学氏が述べるように、初期ジャックスの代表曲がほとんど網羅されており、カーナビーツやテンプターズのコピーも入っている。映画のシーンのためのインストもいい。68年2月3日に収録されたスタジオ・ライブからなり、当然、レコードとはアレンジが違う。湯浅氏が解説の結論部分で、(このサントラ盤の)「生々しいジャックスに打ちのめされる」と書いているが、本当にそう思う。
 若松孝二が1994年に発表した映画『エンドレス・ワルツ』は、阿部薫と鈴木いづみをモデルにした稲葉真弓の小説が原作だが(映画の阿部役は、町田町蔵だった)、『鈴木いづみ×阿部薫 ラブ・オブ・スピード』(文遊社、2009年8月)も、数ヶ月前に買い求めた。丁寧に編集されており、内容も充実している。「速度が問題なのだ」。鈴木いづみの名言。
 頭脳警察、ジャックス、若松孝二、阿部薫、鈴木いづみと並べると、今が2009年だということとの落差を感じるが、<1968年>ブームの現在だからこそ、2000年代における彼・彼女らの表現のアクチュアリティや影響性を考えてみることも意味がある気がする。091114_2

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Tuesday, 10 November 2009

日文研へ

 先週末、京都の国際日本文化研究センター(日文研)で開催された共同研究プロジェクト「仏教からみた前近代と近代」に参加した。
 今回は、木文美士先生の『明治思想家論――近代日本の思想・再考Ⅰ』『近代日本と仏教――近代日本の思想・再考Ⅱ』(トランスビュー、2004年)の書評会。報告者を務めさせていただく。
 じつは2005年7月に南山宗教文化研究所でいろいろな先生方のご協力を仰ぎながら、書評会を開催させていただいたことがあり、その際は、(1)物語(近代仏教史観)、(2)分析視点(「個と個を超えるもの」)、(3)方法論(思想史)という観点から、コメントをさせていただいた(『南山宗教文化研究所所報』16号、2006年)。
 今回は、(1)対象(研究対象の特徴)、(2)方法(思想史的アプローチ)、(3)構造(二重の相互補完システム)という観点から、とくに末木先生の思想的アプローチという方法的立場について、コメントをさせていただく(もう一人の報告者は、神戸大学のTさん。「政治思想史」「日本思想史」の観点からのコメントで、刺激的だった)。
 報告者2人、司会のH先生と末木先生とのやりとり、フロアを交えての議論を通じて、思想史的アプローチの可能性と制約、日本仏教の二重性、「プロテスタント仏教」(近代的な「仏教」概念)と近代主義的立場、知識人宗教と身体性、教団や儀礼の近代化、民俗仏教へのアプローチ、宗教的なるものと非宗教的なるもの(近代の聖俗問題)の関係等々、今後の近代仏教史研究が取り組むべき課題が明確になった気がする。
 大いに学んだ一日となった。
 来週は、京大の人文研で報告させていただく予定。また、12月13日は京都府立大学で開催される日本仏教綜合研究学会第8回大会で、「一九三〇年代の伝統仏教・新興仏教・反宗教の交渉と葛藤」を報告させていただく(プログラムは、こちら)。
 それにしても、いつもいつの間にか、いろいろな予定がgoogleカレンダーに書き込まれており、スケジュール管理の体をなしていない。来年の目標は、(各方面にご迷惑をおかけしていることへの猛省の意味を込めて)「研究とスケジュールは計画的に」としたい。091109_4

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藤本龍児『アメリカの公共宗教──多元社会における精神性』(NTT出版)

091109_3  藤本龍児氏(同志社大学一神教学際研究センター特別研究員)から、ご高著『アメリカの公共宗教──多元社会における精神性』(NTT出版)をご恵贈いただく。
 本書は、藤本氏の博士論文を加筆修正して刊行されたもの。
 目次は、以下の通り。

 序 章  近代社会と宗教
 第1章  個人主義とニューエイジ運動
 第2章  原理主義とリヴァイヴァル運動
 第3章  共同体主義と共和的宗教
 第4章  新保守主義と宗教右派
 第5章  多文化主義と市民宗教
 終 章  多元社会における公共宗教
 補 論  公私にわたる「見えない宗教」

 より詳しくは、こちらを参照。
 近年、アメリカの宗教事情を解説する新書が立て続けに出版されているが、本書はそれらよりも専門性が高く、また、「宗教と公共空間」という宗教研究の最もアクチュアルなテーマを扱っていること、さらには現代アメリカ思想の解説書という特徴も有していることが、大きな特徴である(また、アメリカ社会論としても読むこともでき、さまざまな読み方が可能だと思う)。
 読みごたえのある好著なので、多くの人にお薦めしたい。

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Monday, 02 November 2009

東洋大学東洋学研究所の「死の物語研究」プロジェクトでの報告

 先週末、上京し、東洋大学へ。
 東洋大学東洋学研究所の共同研究プロジェクト「死の物語研究―文学、哲学、ライフヒストリー、ナラティヴ・アプローチ―」で、プロジェクト・メンバーの一員として、報告をさせていただいた。今年度が3年間のプロジェクトの最終年度にあたり、その成果の最終報告である。
 私の担当は、社会学的なナラティヴ・アプローチによる「死の物語」の分析であり、より具体的には「仏教寺院の僧侶と檀信徒における『死に関する語り』のナラティヴ分析」。
 このbolgでもしばしば紹介させていただいた山梨県南巨摩郡増穂町の日蓮宗寺院S寺のI師にお世話になりながら行った調査(参与観察とインタビュー調査)をもとにした報告である。
 プログラムは、以下の通り。

東洋大学東洋学研究所 研究所プロジェクト・研究発表会

日時:10月31日(土)午後2時より           
場所: 東洋大学白山校舎2号館3階 第1会議室

現代日本の地域社会における「死の物語」の位相
 ――山梨県南巨摩郡増穂町の日蓮宗寺院における盂蘭盆と施餓鬼会の分析
大谷栄一客員研究員(佛教大学准教授)

老年期と信仰――元牧師の語る生と死をめぐって
川又俊則客員研究員(鈴鹿短期大学教授)


 久しぶりに川又さんと研究会をご一緒させていただく。
 このプロジェクトの研究発表会は、毎回、外部にも開かれており、今回も近隣の住民の方や大学出身者の方など、20名程の聴衆の方がご来場され、熱心に耳を傾けていただいた。また、報告後の質疑応答も活発だった。
 恥ずかしながら、基礎的なデータが不十分だったり、分析も深みがなく、反省点の多い報告となった。しかし、お盆とお施餓鬼という仏教寺院の「伝統的な」死者儀礼とご僧侶の語りから見えた「死の物語」のあり方は興味深いものであり、何とか今回の反省点を踏まえつつ、論文化したいと思う。
 I師をはじめ、調査を通じてお世話になったみなさまに、この場をお借りして、深謝申し上げたい。
 また、川又さんの報告は、宗教者の老年期の分析という宗教研究の取り組むべき新しい方向性を指し示しており、その精力的な調査内容にも教えられることが多かった。

 研究発表会終了後は、川又さんと、白山の加賀屋で反省会。ホッピーを頂戴しながら、短い時間だったが、色々と語り合う(川又さんと知り合ってから、15年が経つということを知り、驚く)。
 そして、京都に戻り、仕事。
 東京と京都を往復する列車の中では、竹内栄美子『戦後日本、中野重治という良心』(平凡社新書)を読む。中野重治の作品を通じて、戦後日本を問い直す好著。
 今月(もう11月!)は、上旬と中旬に研究会での報告がある。クローズドの研究会なので、告知をできず、ご容赦。
 効率的に、しかし、丁寧に諸々の仕事を進めていきたい、と思う。
 

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